相談事例

古河の方より頂いた遺言書についてのご相談

2018年11月01日

Q:入院先でも正しい遺言を作成できますか?(古河)

私は昨年末に妻を亡くしましたが、隣りの家に住む80歳になる義理の母の介護はそれまで通り続けてきました。妻には弟が2人いるのですが、現在は遠方に住んでいて義母や私たち夫婦とはここ数年連絡もなく疎遠になっています。

その義母が先日体調を崩し入院する事になりました。いつものように入院先に看病に行くと、義母から自分の遺産を受け取ってほしいから遺言書を書きたいと相談されました。義母には6000万円ほど財産があり、それを一番面倒を見てくれた私に遺したいということでした。

入院が長引きそうで、入院先で遺言書を作成することになりそうですが、私は遺言書や相続の知識が全くありませんので、どうすれば義母の遺志に沿った遺言書が作る手伝いができるかわかりません。(古河)

 

A:入院先でも正しく作れる公正証書遺言を検討してはいかがでしょう

一般的な遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

遺言者本人がお元気ならば、自筆で自筆証書遺言を作成されることも考えられます。自筆証書遺言とは、遺言者本人が全文・日付・氏名を自分で書く遺言書で、自分で書くだけなので専門家への依頼の手間や費用がかからないのが魅力ですが、2018年現在、パソコン文字や代筆は認められませんので、ご相談者様のケースには遺言者様の負担が大きいので向いていないかもしれません。また、内容を知識がある人が確認できればいいのですが、内容の不備に気づかずに遺言が無効となることや、遺言書の紛失などのおそれもあります。

公正証書遺言は、遺言者本人が公証役場に出向き、証人2人以上の立ち会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。作成された原本は公証役場に保管されますので紛失の心配もありませんし、専門家が作るので内容の不備もありません。本来は遺言者本人が公証役場に出向きますが、今回のケースのように入院などで外出できない事情があれば公証人は出張して作成することもできます。ただし、通常の公正証書遺言の作成の料金に加えて、出張した場合は作成手数料が通常の1.5倍、出張手当として1~2万円程度と交通費が実費でかかってきますのでご留意ください。

 

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