相談事例

結城の方より遺言書に関するご相談

2023年10月03日

Q:外出のままならない父でも遺言書を作成することは出来るか行政書士の方に伺います。(結城)

初めてご相談します。私は結城で生まれ育った50代の会社員です。80代になった父は結城市の自宅で暮らしています。父は結城市内の病院で半年ほど入院生活をした影響か、すっかり足腰が弱ってしまったため、外出はおろか自宅内でもろくに歩けず介助が必要な状況です。とりあえず意識はしっかりしていて受け答えなどは出来ています。今回の入院で父は自身の先のことが不安になったらしく、先日遺言書を作りたいと言ってきました。子どもである私としては少し複雑な気持ちでしたが、現実的な事を思うと、遺言書があった方が相続人が揉めることがないと思うので、家族のためにはいいように思います。こんな父でも遺言書を書くことは可能でしょうか?(結城)

A:遺言者のご容体によって、作成できる遺言書は異なります。

遺言書の普通方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類あります。遺言者のご都合に合った遺言書を作成すればよいのですが、お父様はお体は不自由とはいえ意識がしっかりとあり受け答えにも問題がないようですので、ご自身の好きなタイミングでお作りすることができる自筆証書遺言で作成することが可能かと思われます。自筆証書遺言はご自身で遺言の内容と遺言書の作成日、署名等を自書し押印することで作成できます。なお、自筆証書遺言に添付する財産目録は、ご家族の方などがパソコン等で表などを作成して、お父様の預金通帳のコピーを添付してください。

一方、もしもお父様が遺言書の全文を自書することが出来そうにないご状況でしたら公正証書遺言で作成することが可能です。公正証書遺言は公証人が遺言者の元に出向いて作成のお手伝いをします。なお、公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるため遺言書紛失の恐れがなく、また法務局で保管されていない自筆証書遺言は家庭裁判所において検認手続きが必要ですが、公正証書は検認が不要ですのですぐに手続きを進めることが出来ます。

ただし、公正証書遺言の作成の際は、二人以上の証人と公証人が立ち会う必要があるため先方との日程調整に時間がかかる恐れがあります。この場合、お父様にもしものことがあると遺言書自体作成ができなくなる可能性もあります。また公正証書遺言の作成には多少の費用がかかります。

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